7.09.2018


物欲がない、ない、と何回も書いているが、以前一度だけ、買っておけばよかったと後悔しているものがある。それは、ズミクロン50ミリの初代である。

ドイツの中古カメラ屋で見たとき、たしかに50ミリで、ズミクロンで、銀色で、初代だった。たしか千ユーロくらいだったと思う。

しかし価格はどうあれ、滅多にお目にかからないものなのだから、何はともあれ「保護」すべきだったのだ。

そういう物が、ときどきある。コスパとかスペックとか、そういうつまらない「数字」を超えて、訳もなく欲しくなるもの。

50ミリはもうすでに持っている。現行のズミクロンだ。当たり前だが、初代のそれより性能はいい。しかし、初代が欲しいのだ。

思うに、僕がカメラやレンズに求めるものは、「解像度」でも「MTF曲線のなんちゃら」でも「高感度性能」でもない。フレアが出ようとゴーストが出ようとノイズが出ようと、そんなものは大した問題ではない。

僕は、カメラやレンズが「家電用品」ではなく「道具」だった時代の物語を求めたい。懐古趣味、と言われればそれまでか。

「フォトグラフィー」とは、「フォト」(光)で描くということだ。そのためにレンズがまだプリミティブな「道具」だったころ、「筆」だったころのレンズが欲しいのだ。

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